前編では、筆者がホストイベントをやりたいと思うようになったきっかけ、ホストイベントの目的、ホストイベントで期待できる結果についてお伝えしました。
クラブでホストイベントを開催したい!
通常イベントは箱貸しで、イベンターがあらかじめ資金を投じます。そこで資金力のない筆者にとって、大きなネックになったのが資金調達です。
イベントは初動が大切。1回目のイベントが不評であれば、継続は難しいでしょう。
逆に、多少なり赤字がでても、ユーザーへ大きな満足の提供と次回への期待を抱かせたなら応援者や協力者が現れ、定期的継続開催の希望も見えてきます。
そのためには、コストの節約や利益獲得に走るのでなく、資金不足を気にせずとも妥協することなくよいものをつくること。つまり、潤沢な資金が必要と考えたのです。
今回はイベント開催のための資金調達についてガチレポ。実体験で知り得た、表にでないマル秘情報までお伝えします。
この記事がキャバ嬢さんの独立開業時の資金調達の参考になるかもしれません。
また、私にもおもしろいイベントを打てそう!と思っていただけたなら幸いです。
イベント開催時の資金調達の方法
大箱クラブでのイベントにかかる総費用を、イベントプロデューサーとの相談のうえ150万と想定しました。
イベントでは箱代だけでなく、バイキングでのフードや2時間飲み放題、出演者ギャランティ(ホスト以外)、セキュリティなどの人件費、プロデュース料、広告宣伝費、シャンパンタワーなどの特別演出料、諸々込みでざっくりとした算出です。
この150万の資金を捻出するために、以下の方法にチャレンジ!
日本政策金融公庫の融資検討
国の政策機関である日本政策金融公庫で、事業資金の融資を受けることができます。フリーランスや個人事業主も融資可能です。
しかし、融資制度も複雑でわからないことがいっぱい。そこで無料相談サービスのある融資仲介業者に問い合わせることに。
創業融資支援などのキーワードで検索して、めぼしい業者3件に問い合わせてみました。
クラブでホストイベントをやりたいのです。
今までにないクラブでのホストイベント開催をしてみたいんです。
その資金に悩んでいます。
アフターコロナを見据えた夜間経済(ナイトタイムエコノミー)対策とも言えます。
目標は大阪万博に向けたインバウンドの取り込みです。
新しい試みとして、日本にしかないホストクラブの文化をゆくゆくは海外のお客様にも楽しんでもらいたいのです。
海外の方が慣れ親しんだナイトクラブでホストイベントを開催することで、訪日観光客の皆様にも、より気軽にホスト文化に触れやすくなると考えます。
インバウンド向け夜間経済の新しいコンテンツになるといいなと思っています。
イベント事業として計画をたて、創業融資の資金調達申請をしましょう。
イベントに必要な資金を出していただけますか?
創業融資は、会社経営でない個人事業主でもOKですよ。
国からお金を借りるために、何か書類を作るってことですよね。
平日に小さくやるなら30万~ですが、できれば大きく開催したいのです。
諸経費含め約200万~などは難しいでしょうか?(概算提出)
300万を申請しましょう。それ以上の額になると審査が厳しくなる可能性が高いですが、300万以内だと難しくはありません。
希望額が少なければ、コロナ禍もあいまって融資成功率はぐっとあがります!
300万も無担保・保証人なしで借りれるなんて、にわかに信じがたい。世の中そんなに甘くはないでしょ。
国庫のサイトでは10分の1程度の自己資金が必要とありますが?
じつは自己資金ゼロでも可能です。
自己資金ゼロでの融資の成功は、事業計画書にかかっています。
ビジネスモデルの新規性、独自性、成長性とも魅力的な内容ですので、そこをうまく伝えることができるなら融資の可能性は非常に高いでしょう。
当社の専門スタッフが事業計画書を作成します。
300万もの額を借りるのだから、業者さんへのお支払いも相当いりそう。それがこの代行商売よね。
で、お値段は?
事業計画書作成のみですと約10万円です。
事業計画書作成だけでなく、国庫とのやり取りの代行などのトータルサポートになりますと成功報酬をいただきます。
お客様の場合ですと金額からも成功報酬型にするより、事業計画書作成のみがあっているようです。
ん?10万支払ってもお金が借りれないってこともあるのね。
事業計画書は手元に残るけど、お金を借りれる保証はないってことか。
全く初めてのことなのに、事業計画書だけの支援では不安です。
申請して落ちたなら、約6ヶ月は再申請できないのですよね?
文面上そう記載してありますが、それはあくまで統計的な意味です。
審査に落ちた場合、国庫側からここを改善して再度申請してくださいとの助言があります。
その助言をクリアできるのが、平均して約6ヶ月なのです。
だから、約6ヶ月は再申請が難しいという意味になります。
大きい額の融資の場合は、確かにトータルサポートの方がメリットが大きいでしょう。
しかしお客様の希望額ですと、せっかく融資できてもデメリットの方が大きくなりますね。
事業計画書を書いてもらうなら、中小企業診断士さんや行政書士さんに直接頼むという手もあるよね。
もっと安い業者もあるし、ほかも調査しなくっちゃね。
希望が見えてきました!けれど、融資不可でも10万円が必要ということですよね。
そういえば他社は事業計画書含め完全成功報酬型がありました。他社にも問い合わせてみます。
当社はご依頼を承るための条件があります。
①事業に関係する経験年数6年以上
この場合ホスト業界かイベント業界に6年以上従事している証明が必要です。
②実務経験がなければ、イベントで収益化の実績を作る
利益がでるイベント開催の実績を証明する必要があります。
③自己資金が用意できる
10分の1とされているが2分の1は必要です。
④確定申告をして税金関係がクリアであることを証明できる
さかのぼって5年は何も問題ないと証明できなければなりません。
⑤公共料金の支払い遅れがないことを証明できる
定まった期日に収められていると、通帳などを通して証明が必要です。
1日遅れでもマイナスポイントになります。
⑥金融情報がクリア
金融機関や消費者金融の借入だけでなく、クレジットカードのリボ払いも避けたほうがいいでしょう。
全てクリアできたら再度ご相談ください。
これがクリアできるなら、支援業者を頼らずとも自分で申請すればいいよね。
エンジェル投資家マッチングサイト登録
エンジェル投資家とは、起業を目指す人や起業まもない起業家に出資をする個人投資家です。
資金の利息はなく返済の義務もありません。
ただし、法人化する予定でないと難しいでしょう。投資家は経営参画や株式の配当金、会社売却益上などのリターンを望むからです。
ネット上には、起業家とエンジェル投資家のマッチングサイトが複数あります。
イベント事業プランをエンジェル投資家マッチングサイトに投稿してみたら、メッセージが複数きた!
しかしどうやら投資家ではなく、手数料目当てに個人で融資支援を行っている方々のようです。
なかには、ダイレクトに投資希望か融資希望かと質問してくる方もいました。
投資家さんが登録するサイトという名目でも、融資の手数料目当ての業者や個人が多く紛れているようだなぁ。
サイトは先にお金を振込めという要求には乗らないようにと注意喚起はしているよ。
でも、本人確認が取れている投資家さんでも投資家という確証までは取れないみたいね。
メッセージのやりとりをするには1万円程度の月額費がかかります。
投資家からのメッセージの内容はもちろん、プロフィールを吟味した結果、課金は時期尚早と判断しこちらはのんびり行くことにしました。
きちんとした投資会社からもメッセージがきましたが、先方の希望する事業内容とは若干違ったため今回は見送っています。
期待は薄そう!
補助金・助成金について調べる
一定の条件を満たすと、国や地方公共団体から補助金や助成金を受け取れます。返済のいらない資金調達です。
とにかく補助金・助成金は複雑で制度も頻繁に変わります。専門家ですら全ての情報を把握している人はいないと言われているうえ、書類作成や申請が煩雑になるとのこと。かなり手間がかかります。
そしてネックは後払いであること。
筆者は早々に除外しました。
ざっと調べたけれど、補助金・助成金の数は多いし、すぐ終わったり急に新しいものができたりとかなりわかりにくい!
直接担当部門に問い合わせもしてみたけど、担当の方も「書類がかなり複雑で、お金がおりるまでの期間も確実なことが言えない」とおっしゃってたわ。
補助金・助成金関連の専門家に相談するのも手だけど、全てを把握している方はいないと心得て。
友人知人に夢を語る
協力者を得るために、広く情報を集めるためにも、周囲にホストイベントを開催したい夢を語ることが大切です。
バカにされるかと心配していましたが、男性陣には非常に受けがよく、多くの方から「応援するから是非かなえて」と声をかけてもらえます。情報もぼちぼち集まっています。
夢を追いかける姿を、自分と重ね合わせるのが男性なのかもしれませんね。
一方、女性陣はさほどホストに興味がないためか、現実的なのか「開催したら行くね」程度の薄い反応でした。
実際開催するならターゲット層は女性です。顧客のニーズに一抹の不安も。
ひとりよがりになってないかな?市場調査や市場分析が必要な気がしてきたわ!たいへーん。
創業セミナーに参加
創業セミナーや起業セミナーで検索すると、各地方でさまざまなセミナーが行われているとわかりました。
主催は企業や関連機関、金融機関や地方自治体、商工会議所やNPOなど多岐に渡ります。また、ZOOMでのオンラインセミナーも無料で数多く開催されています。
公益財団法人が運営している中小企業支援機関のスタートアップセミナーに参加しました。
独立起業の支援も行っていて、起業セミナーや無料コンサルなどのサービスがあります。
資金調達の選択肢として
- 金融機関からの融資
- 投資家からの出資
- 助成金や補助金
- ビジネスコンテスト
- クラウドファンディング
- 贈与
があります。
融資には自己資金が重要です。希望融資額の半分は必要ですよ。
自己資金は銀行口座に毎月定期的に貯めていくことが大切です。
しっかりコツコツ資金を貯めている経緯がつかめることで信用性を獲得できます。
タンス貯金や人からお金を借りたりもらったりでは、計画性についての評価ができません。
半年以上はコツコツ銀行口座に入金して、実績を作りましょう。
また、クレジットカードのリボ払いも、計画性のない消費行動と判断されかねないので注意が必要です。
銀行に有利な顧客になると、融資も有利になりますね。
某銀行グループは、お買い物やポイント獲得、携帯キャリアの保有などグループのサービスの利用度で、ローンが優先的に組めるとうたってあります。
創業融資に積極的な金融機関で、サービスを受けるなどの下準備も必要かもしれませんね。
けれど、業者Aの自己資金不要説はなんだったのだろう??
産業競争力強化法に定める特定創業支援事業の認定を受けると自己資金は問われないのです。
調べてみました。
大阪市の場合、特定創業支援等事業に認定されているゼミやセミナー、インキュベータオフィスの利用で証明書を発行してもらえるようです。
株式会社にするなら、公庫の新創業融資制度の自己資金要件が充足しているものとみなさると書いてますね。
「産業競争力強化法に定める特定創業支援事業の認定」「お住まいの自治体」のキーワードで検索してみるとよさそうですね。
国の施策や傾向はそのときどきの状況によって変わります。
今回はコロナ禍ということもあり、資金融資に有利だったとの声もあれば、逆もあります。
とにかく直接問い合わせてみるとか、ダメ元で行動してみるとかもよいでしょうね。
実際、知人はほぼ諦めていたのに審査に通ったと喜んでいました。
これはオフレコですが
前例とライターちゃんの例は全く同じではないし、金融機関さんにもよるし、何事も一概には言いにくいってことでしょうね。
しかし、ホストイベント開催で公的な融資を利用できるのかしら??
私どもは正確な情報しか流せませんので、オフレコ話は言えませんでして……。(汗
無料の起業コンサルを受ける
面白いアイデアですね!イベントならクラウドファンディングがいいかもしれません。
いまは、クラウドファンディングの無料セミナーや情報も多いので参考にしてみては。
インスタを開設してイベントを開催したい旨を発信し、読者の意見も聞きながら読者とともにイベント開催を目指すのはどうでしょう。
Webサイトを持つのもひとつの案ですよ。
商工会議所ではサイト作成支援も行っています。
そういえば、緊急事態宣言下ではさまざまなクラブをはじめ、イベント関連事業がクラウドファンディングで資金を集めていました。
クラウドファンディングは市場調査の意味合いも大きいですものね。
ちょうど市場調査や市場分析が必要かなと思っていたところです。
よし、クラファンでいこう!
資金不要?クラブのオーナー社長にプレゼン
クラウドファンディングに挑戦するため、クラウドファンデイングの資料を取り寄せたり、オンラインセミナーに参加する日々。
たまたま某クラブに出向いた際、オーナーにホストイベントをやりたいことを話してみました。
ほぉ!それはおもしろい。
よし、企画を書いて店長に渡しておいてください。
えっ、ということはクラブ主催のイベントとして取り上げてくれる可能性があるということ?
つまり箱貸しではなくなるから、費用の壁が取り払われるかも!?
まさかの展開か?
まとめ
イベントを開催するには、会場を抑えるためにあらかじめそれなりの資金が必要で、大きいイベントになるほど額も大きくなります。
自己資金がない場合には、まず資金調達を考えなくてはなりません。
今回の調査では、融資や出資はハードルが高いことが判明しました。
コンサルの先生がすすめてくれたクラウドファンディングの挑戦となるかと思いきや、クラブオーナーへのプレゼンの結果、箱貸しではなくクラブ主催のイベントとして取り入れてもらえる可能性がでてきました。
さて、今後の展開はどうなるのか、正直ドキドキとヒヤヒヤで穏やかではいられない心境です。今後は協力いただけるホストとの交渉も進めていかなければなりません。
なんとしても実現したい、クラブでのホストイベント。実は山あり谷ありの茨の道だったのです。次回にご期待くださいね!