水商売の出戻り。昼職で通用しないやつだと冷ややかな世間の目が気になると同時に、昼をかじった分、ポンコツだのダメ人間だの社会不適合者だのと自分を責めてしまうこともあるでしょう。
前編では出戻りの理由のひとつに、夜型人間のため、社会での一般的な昼中心の生活に体がなじめないストレスがあるとお伝えしました。
夜型なのは環境も関係はありますが、遺伝的要素が影響していて、意思が弱いとか甘えでもなく、だらしない性格の問題でもなかったのです。
ここでは産業保健看護師の筆者が夜型人間に知っていてほしいことをお伝えします。
朝型夜型の違いをつくるのは遺伝子
水商売をあがって昼職の生活に慣れるように努力をしてきたけど、次第に体が辛くなり、遅刻や欠勤も増えたケースは少なくありません。
じつは遺伝子が朝型夜型の違いを作っていたので、努力でなんとかなる問題ではなかったのです。
自然に眠くなったり目が覚めたりするのは、体内時計の働きのためです。
眼にある網膜が光をキャッチし、朝になると「朝がきた」と幸せホルモンであるセロトニンを分泌し心地よく朝を迎えます。暗くなると「夜になるよ」と徐々に睡眠ホルモンのメラトニンが分泌され、体も眠りの準備に向かいます。
しかし夜型の人は体内時計のリズムが朝型よりも遅れるタイプの遺伝子で、朝方にメラトニンが分泌されているため、朝になっても起きづらいのです。
一時期できるホストは早起きして朝活すると言われていたけど、どんなに頑張っても体がいうこときかなかったのはそのためか。
人間は太陽が上るとともに起きて、日が沈んだら寝るのがもっとも健康な状態で、病気になりにくいって説もあったよね。
今までは一般的な朝型人間の研究しかされていなかったけど、動物にも夜行性があるように人間も人それぞれなのがわかってきたの。
なので夜型の人は無理に早起きをせず、夜に活動したほうがパフォーマンスがあがると言われるようになったのよ。
朝型人間か夜型人間かチェック
それでは自分は朝型人間か夜型人間か外部サイトでチェックしてみましょう。
夜型人間だとわかったら
うつ病や双極性障害などの精神疾患になる確率は、夜に活動量が多いタイプに高くなる傾向があります。また、夜に一人で起きているとなんとなく孤独感を感じる人も少なくありません。
本来寝ているべき時間に無理やり活動しているために、精神疾患になるリスクが高くなると言われていましたが、遺伝子レベルでの問題かもしれないと、現在研究がすすめられています。
夜型人間の人は精神的にタフな傾向がある分無理をしやすいので、とくにメンタルヘルスケアを意識することが大切です。
夜型なのは遺伝子のせいにする
夜型人間なのは自分がポンコツだからと、自分を責めていませんでしたか?
これからは遺伝子のせいだから仕方ないのだとあきらめ、体に無理をさせずに心地よく夜を生きる人間へと変化していきましょう。
頭痛いのは気圧のせい。
朝起きれないのは遺伝子のせい。
自分がダメなんだって思ってたから、ほっとしたー。
創造的な活動を取り入れる
自分の特性の創造性を生かして、アートや音楽、ダンスや歌、文章を書くなど創造的な活動を積極的に取り入れてみましょう。SNSで創作活動を発信するのもいいですね。
自分の能力を発揮すると、充足感が高まり幸福度があがります。自分を表現するためにも新しいなにかにチャレンジしてみてね。
社交性を生かす
夜型人間の人は社交性も高めと言われています。
精神的な孤独でいると強いストレスを感じてしまうので、気心しれた仲間たちと繋がる、わかりあえる友人に会うなどを意識し、交流活動を制限しないようにしましょう。
ただし接客業は人疲れもしますので、一人でいたいときは一人の時間を大切に。会っていなくても心がつながっているような安心した心理状態でいれば大丈夫です。
休みの日は目覚まし時計を使わない
熟睡しているときに目覚ましで強制的に起きるのは、体の自然なリズムをさえぎるため、自分が思うより大きなストレスになります。それが毎日続くので知らぬ間にストレスが蓄積されていくのです。
長期休暇をとった時は目覚ましを使わず、起きたいときに起き、寝たいときに寝るを繰り返して体のリズムのバランスを整えましょう。
人と違ってもいい自分にあった生活リズム
夜型人間なのに、休日は活動的にと朝型と同じように無理に早起きしたり、早寝したりする必要はありません。
休日のゴロゴロはむしろ夜型人間の心のメンテナンス。朝からゴルフに行く朝型同僚の誘いにしぶしぶつきあうと、体に無理がきます。夜型は夜型らしくいこうね!
まとめ
水商売の出戻り。夜職でしか働けないことを引け目に思う必要はありません。
遺伝子が夜型人間だったので、自然な体のリズムに逆らい続けて体が悲鳴をあげていたのでした。
これからは体に優しい自分でいるため、堂々と夜を極めるに振り切るのもおすすめです。
夜職はアルコールも飲むため、精神疾患にかかりやすいリスクも高いので、とことん自分に優しく生きていきましょうね。
朝型か夜型かは遺伝子の問題なので、努力や習慣、気合などで変えることはできないの。