18歳でNo.1に。シングルマザーの元キャバ嬢・椎名美月の「壁の乗り越え方」

こちらは2021.8にインタビューしたものです。

北海道はすすきのの土地で、たった3ヶ月でNO.1に上り詰めた椎名美月さん。結婚を機に半年で退店、そして出産・離婚を経験し、シングルマザーとして電撃復活。またたく間にさらなる人気を獲得し、北海道最大手「BARCELONA GROUP」で最高売上を記録、最年少で4年連続ナンバーワンになった伝説のキャバ嬢です。

現在はキャバ嬢を卒業し、雑誌「姉ageha」「PECHE」でモデルを務めながら、経営者として「ビューティースリム専門店MEILLI」をオープン。どんどんと輝き方を変えていく椎名さんの計り知れない魅力を、インタビューで探ります。キャバ嬢から経営者になった彼女が、現在と昔を振り返って思うこととは――。

【椎名美月】

Instagram:https://www.instagram.com/mizkiss/

なりゆきではじめたキャバ嬢、だからこそ堅実に

編集部

実際にお会いすると、お子さんがいるとは思えないお美しさですね。

椎名美月

いえいえ、ありがとうございます(笑)。

編集部

椎名さんはなぜ、18歳でキャバクラデビューしたんですか?

椎名美月

最初は友だちに誘われたのがきっかけで、自分の中では選択肢になかった職業でした。でもその分偏見もなかったし、体験に入店に行った時に、お店の方にゴリ押しされたのも大きかったかも。

編集部

憧れる気持ちなどは特になかった?

椎名美月

そもそも、キャバ嬢という仕事についてまったく知識がなかったので、憧れも疑問もありませんでした。たまたまだったと思うのですが、お客さんにもお店にも恵まれたから、嫌な思いをすることもなかったし、不安を感じることはなかったです。

編集部

なりゆきではじめたキャバクラで、一気にNo.1まで上り詰められたのもすごいですね。

椎名美月

でも、No.1になりたいという野心はなかったと思います。経費を差し引いた時に、手元に残るお金があればいいなあ、くらいのマインドでした。

編集部

始めた当初はどのくらい稼いでいたんですか?

椎名美月

小さなお店だったので、そこまでは。売り上げが300万円くらいで、手取りで150万とかだったかな。でも、もともと物欲があまりないので、貯めておこうと思ってまったく使っていませんでしたね。最初のお店は結婚を期に、半年で辞めてしまいましたから。

編集部

その後、ご離婚を経てもう一度キャバ嬢に戻ろうと思った理由は?

椎名美月

その時はまだ子どもが小さかったんですが、家族を守れるお昼の仕事が見つからなかったんです。就職活動をして受かったところもあったけど、拘束時間長かったり薄給だったり……5年10年後、その仕事を続けても生活が楽にならないかも、と感じました。だからまず、お金を貯めるためにキャバ嬢を再開しました。

編集部

堅実なんですね。将来も冷静に考えていらっしゃる感じですよね。

椎名美月

根が真面目、とはよく言ってもらえるんですが、その分ちょっとでも変なことをすると、批判を受けることもあるので難儀ですよ(笑)。だから、夜のお仕事中は少し馬鹿に見えてもいいや、と思うようにしていました。元の評価が高いと、なにかしでかした時に評価が下がりやすいから。

キャバ嬢から経営者へ。立ちはだかる壁の超え方

編集部

SNSのイメージより、さらにしっかりされていらっしゃる印象です。

椎名美月

というか、初対面の人の前だと気を使ったりしちゃうほうなのかも。もともと人に会うのもそんなに得意じゃなくて、1人の時間が好きなタイプなんです。でも、仕事だと思うと、プライベートでよりも人に会うことに積極的になれるんですよね。目的があった方ががんばれるタイプ。

編集部

人見知りなのに接客業を本業にするのは、勇気のいることだったのではないかと。

椎名美月

たしかに(笑)。でも大人になって振り返ってみると、プライベートで関わる人って近しい人だから、一回ケンカしても仲が続くと思うと、逆に気を使っちゃうんですよね。キャバ嬢という仕事では、私は選ばれる立場だと思っていたから。失礼なことをして、嫌われたら切られるだけ……そう思うと、それまでの間がんばろうと思えたんです。そこでひとつ、人見知りな自分に踏ん切りをつけられたのかも。

編集部

人見知りでも、会話や接客は苦ではなかったですか?

椎名美月

苦ではなかったけど、すごく得意というわけでもないので、仕事が終わるといつも1人反省会をしていました。指名は取れていたけど、人気が出ると一人ひとりと長くお話できなくなってしまうので、満足度をあげるためにはどうしたらいいのかをよく考えていました。会話の内容とか、LINEのコミュニケーションとか、もっとよくならないかなって。

編集部

向上心がありますね。だからこそ今、経営者として美容サロンをはじめても成功してらっしゃるのでしょうか。

椎名美月

でも、経営はやっぱり自分の向上心だけじゃどうにもならない部分もあって、難しいなと思っています。プレイヤーだった頃は、自分が変われば結果が反映された。でも、経営はチームで行っていくものなので、私に向上心があっても、その熱意がスタッフに伝わらないとなかなか結果に反映されませんから。

編集部

ご自身に向上心が強いからこそ、周りとの熱量の差に悩むのかもしれませんね。

椎名美月

でも、いちスタッフと経営者では、私の方が熱量を持っていてしかるべきだと思っています。1店舗目のサロンはインスタでスタッフを募集したので、私のことを知ってくれている子たちでスタートできたので、すごくやりやすかった。でも、2店舗目の表参道店は普通にリクルーティングしたので、私のことを知らないスタッフもいて、経営方針や思いをすり合わせるのには苦労しました。

編集部

それはどう乗り越えられたんですか?

椎名美月

キャバクラ時代は、他の子に自分の背中でがんばりを見せることができました。でもサロン経営においては、私はエステティシャンではないから。現場のプロは彼女たちなので、そういうリスペクトは常に持っています。スタッフに明るい気持ちになってもらうのは得意なので、なるべく店舗に足を運んで、スタッフの意見を拾って現場に活かすようにしています。

編集部

風通しのいい職場を作った、と。

椎名美月

そうですね。他の企業より、スタッフ一人ひとりとしゃべる時間が長いんじゃないかなとは思っています。話をしながら悩みを紐解いたりするのは得意なので、密なコニュニケーションを取るようにすると、スタッフとの気持ちの差もなくなっていきました。

経営者としての、100万円の価値

編集部

億プレイヤーだったキャバ嬢時代と比べて、たとえば「100万円稼ぐ」ことの意味が変わったりはしませんでしたか?

椎名美月

けっこう変わりましたね。18歳の頃は、100万なんて何に使っていいか分からなかった。27歳の今は生活水準が変わって、家族を守るためには100万円なんてあっという間になくなっちゃうなって思うんです。それに、経営者としての100万円は、個人よりもあっという間になくなります。たとえ1000万円あっても、それで何ヶ月従業員を守っていけるのか。お金があっても自分がどれだけ自由になれるか、なんて考える余裕はないですね。

編集部

最近、会社のためになにか投資したエピソードなどありますか?

椎名美月

ちょうど最近、HPのSEOコンサルに120万円ほど投資したのですが……もともとSNSやWEBでのプロデュースは得意なので、自分でやってもよかったかも、なんて後悔していたところです(笑)。そのくらい簡単に、数百のお金って消えちゃうんですよね。もともとお金使いが堅実なタイプなので、ヒヤヒヤしながらやっています。

編集部

経営者になって、自分を取り巻く環境などどう変化しましたか?

椎名美月

夜、早く寝るようになりました。子どもに合わせて、9時にはもう寝ちゃいます。

編集部

健康的ですね。夜働いていた頃から、美容面にも気を使われていたのでしょうか。

椎名美月

キャバ嬢の頃から、毎日必ず水を2L飲むこと、湯船に浸かることは徹底していました。早く寝るようになったからって、すごく肌がキレイになったということもないのですが……今は20代なので、生活リズムによる違いに気づいていないけれど、後々出てくるものなのかなと思ってなるべく今は健康的な生活にも気をつけています。

編集部

夜のお仕事をしていても、そういった生活のマイルールを持つことは大切なのでしょうか。

椎名美月

夜働いていると、食事もお酒も誘惑が多いから。守れる人は少ないと思うけど、やったことは裏切らないと思います。

編集部

これから夜のお仕事を始める子に、メッセージをお願いします。

椎名美月

金額や期間など、なんでもいいから目標を持って取り組むことが大切だと思います。学校や会社では、先生や上司が勝手に目標設定してくれる。でもキャバ嬢は個人事業主だから、自分で考えないと成長しないし、周りとの差も生まれやすいです。自分で自分をどこまで管理できるかが、成功のカギだと思います。

しっかり者で冷静な椎名さん。SNSでの可憐な雰囲気とは違う、経営者としての適正が見えたインタビューでした。

椎名さんの成功の秘訣は、その上昇志向と具体的な目標設定でした。具体的な目標を常に意識し、そのためにどうすればいいか、冷静沈着に課題設定できること。キャバクラや経営以外でも、さまざまなビジネスシーンで活きるスキルです。目標に向かってストイックに努力できる椎名さんだからこそ、働き方や業界が変わっても、壁を乗り越えて成功していくことができるのでしょう。